弾性塗料の費用価格は!?外壁のひび割れを直してくれる弾性塗料の種類と工法

外壁塗装の見積りをチェックしていると、塗装の項目に「弾性」や「微弾性」という記載が目につくことがあります。

弾性といえば柔らかさとかクッション性というイメージに繋がると思いますが、外壁塗装に弾性と言われてもピンとこない方も多いでしょう。

ここでは、みなさんが疑問に感じやすい塗料の「弾性」について解説します。

特に外壁のどこかにヒビ割れを発見したことをきっかけに外壁塗装を考えることになった方にとっては、非常に重要な内容となります。

弾性塗料とは?

弾性塗料の費用価格は!?外壁のひび割れを直してくれる弾性塗料の種類と工法

モルタルやコンクリート製の外壁は、年月が経つにつれて劣化が進むとヒビ割れを起こします。

外壁のヒビ割れのことを、外壁塗装の業界では「クラック」と呼び、クラックが進行してしまうと住宅の内部にまで水が侵入してしまい、住宅に甚大な被害を与えてしまいます。

戦後の日本住宅は主にモルタル製の外壁が多く、外壁の仕上げやタイル・レンガの目地にも使われてきました。

セメントや生石灰に砂を混ぜて作るモルタルは、安価である程度の強度が期待できる建材でしたが、欠点もあります。

  • 乾燥が進むと収縮してクラックを起こしやすい
  • 耐震性が弱い

1970〜1990年代に建てられた中古住宅のリノベーション物件などでは、ほとんどの外壁がモルタル製なので、外壁塗装時のクラック補修は必須となっています。

通常、クラックは素地と同じ素材やシーリング(コーキング剤)材などで穴埋め補修を行い、その上から塗装を施工しますが、弾性塗料を使用することで、軽度のクラックは塗装で穴埋めすることができます。

弾性塗料の塗膜はゴムのように伸びる性質があり、通常の塗料の約10倍もの伸び率でクラックをカバーします。

弾性塗料に対して通常の塗料は硬質塗料と呼ばれ、硬質塗料では素地にクラックが生じてしまうと塗面にまでクラックが伝わってしまいますが、弾性塗料は素地にクラックが生じても塗面までクラックを起こさないように働きかけてくれるのです。

弾性塗料の種類

弾性塗料の費用価格は!?外壁のひび割れを直してくれる弾性塗料の種類と工法

弾性塗料は、伸び率によって種類が分かれています。

伸び率とは、カンタンに言えば「柔軟性」や「柔らかさ」だと考えてください。

弾性塗料の種類
  • 気温が20度の時に伸び率が120%程度のものを「弾性塗料」
  • 気温が20度のの時に伸び率が概ね50〜90%程度のものを「微弾性塗料」

現在の外壁塗装業界で主流になっているのは後者の微弾性塗料ですが、こだわりを持って塗り替えに臨む方では弾性塗料を希望することもあります。

では、それぞれの施工方法を見ていきましょう。

 

弾性塗料の工法① 複層弾性塗装

弾性塗料を使った最も代表的な施工方法が「複層弾性塗装」で5度塗りで塗装する工法です。

複層弾性塗装の流れ
  • シーラーによる下塗り
  • 高弾性塗料による中塗り・1回目
  • 高弾性塗料による中塗り・2回目
  • 上塗り塗料・1回目
  • 上塗り塗料・2回目

シーラーで高弾性塗料との密着性を高め、下地としての弾性を高めるために高弾性塗料を2度塗りし、その上からお好みの色の塗料を塗装するという贅沢な工法ですが、これこそが本当の「弾性塗装」です。

複層弾性塗装のメリット
  • 塗膜が厚くなるので防水性・耐久性が向上する
  • 弾性塗料の塗装が下地となるため、上塗りは色・ランクともに自由に選択できる
  • 弾力性が8〜10年程度も持続する

ただし、工程が多いため材料費・人件費が高くなるのを覚悟しておく必要があります。

弾性塗料の工法② 単層弾性塗装

複層弾性塗装は、下塗り+弾性塗料の中塗り+上塗りの複層構造になっており、高い耐久性と美しい仕上がりが約束される反面、塗装の手間とコストが高いのが難点。
そこで、できるだけ低コストで弾性塗装を施工したい方にオススメしたいのが「単層弾性塗装」です。

単層弾性塗装とは、

  • ① シーラーによる下塗り
  • ② 弾性塗料による中塗り
  • ③ 弾性塗料による上塗り

の3度塗りで塗装する工法です。

単層弾性塗装では、弾性のある上塗り塗料を2度塗りすることで塗料に厚みをつけて弾性を確保します。
通常の塗料よりも格段に弾性があるため、ヒビ割れを起こしにくく、耐水性が高いというメリットがあります。
ただし、複層弾性塗装と比べると弾力性は2/3程度。
やはり複層弾性塗装ほどの効果は期待できないことは覚悟しておきましょう。

単層弾性塗装のココに注意!

単層弾性塗装は、弾性塗料による施工の中でも特に手抜き工事が起きやすい工法です。

弾性塗料は粘度が高いため通常の塗料と比べると塗装しにくいという特徴がありますが、悪質な業者ではメーカー推奨量よりも水を増やして粘度を低くし、カサ増しして施工することがあります。
弾性塗料はメーカー推奨の分量をきちんと守らないと、耐久性・耐水性はガタ落ち。
これではせっかく割高な弾性塗料を使用する意味がありませんよね。

単層弾性塗装を施工する際には、現場に持ち込まれた塗料の「缶」の数をチェックしておきましょう。
弾性塗料で外壁を2度塗りする場合、一般的には少なくとも5缶以上は必要になります。
粘度が高く厚塗りする分だけ、通常の塗料よりもたくさんの量が必要になるので、2〜3缶程度しか持ち込まれていなければ水増し・カサ増しが疑われます。
「弾性塗装をするけど激安!」とアピールする塗装業者には特に注意。

必ず塗料の缶の数をチェックして、少なければ「これで足りますか?」と投げかけてみましょう。

【現役プロ業者の一言】

単層弾性塗料の多くはアクリル系塗料です。アクリル系塗料といえば外壁塗装で使用する塗料の中で最もランクが低いので、使用を避ける塗装業者もいます。「弾性」というだけで別カテゴリにしてしまわず、塗料のランクにも目を向けてみましょう。

弾性塗料の工法③ 微弾性塗装

弾性塗料による施工で最もリーズナブルで自由度が高いのが「微弾性塗装」です。

微弾性塗装とは、

  • ① 微弾性フィラーによる下塗り
  • ② 上塗り塗料・1回目
  • ③ 上塗り塗料・2回目

の3度塗りで塗装する工法です。

微弾性塗装には、

  • フィラーが軽度のヒビ割れを埋めてくれる
  • フィラーによる下塗りで弾性を出すので、工事価格が抑えられる
  • 中塗り・上塗り塗料を自由に選ぶことができる

というメリットがあります。
なんといっても、上塗りの塗料を自由に選ぶことができるのは施主として非常に嬉しいメリットです。
弾性の上塗り塗料を使用すると、思ったような色やランクの塗料を選べなくなることが多いので、微弾性塗料による下塗りは外壁塗装の自由度を大幅に広げてくれます。

ただし、表面に出ている塗装自体に弾性があるのではなく、弾性を持っているのはあくまでも下塗りのフィラーの層。

複層弾性塗装・単層弾性塗装と比較すると弾力性が長持ちしません。

10年に1度の塗り替えを守っていても、塗り替え適齢期を迎えるころにはほとんど弾力性がなくなっており、微弾性のフィラーからさらにヒビ割れを起こすこともあります。

要注意!弾性塗料とサイディングの相性

最近の住宅で外壁によく使用されているサイディング。

サイディングは非常に耐久性に優れているため、ハウスメーカーや工務店によっては「半永久的に劣化しない」などと売り出していますが、実はそうではありません。

現在の主流となっている窯業系のサイディングは、セメント質と繊維質によって形成されているため、素地自体は吸水性が高く、さらに表面強度が低いため粉を吹く「粉化現象」を引き起こしやすい素材です。

このサイディングに防水性を与えて耐久性を高めているのが「塗装」なのです。

つまり、塗装が劣化してしまえばサイディングの素地も劣化してしまいます。

では、今回のテーマである弾性塗料を使ってサイディングを塗装することは可能なのでしょうか?

答えは×。
弾性塗料とサイディングの相性は非常に悪いので、サイディングの外壁に弾性塗料を塗装するのはNGです。

一体、なぜサイディング壁に弾性塗料を塗装してはいけないのか、理由を説明しましょう。

サイディングってなに?

ここで「サイディングって、よく聞くけど一体どんなもの?」という方のために、サイディングについてカンタンに説明しておきましょう。

サイディングとは、外壁用に板状に形成したパネルのことを指します。
このパネルを貼り付ける工法で完成した外壁をサイディング壁と呼びます。
レンガ調や木目調の外壁を演出したいなど、外壁に対するこだわりを実現する建材として広く浸透しています。
サイディングには、

  • セメント質と繊維質を合成した「窯業(ようぎょう)系」
  • アルミニウムやセラミックなどでできた「金属系」
  • 天然木を加工した「木質系」
  • 樹脂成型された「樹脂系」

という種類があり、現在の建築業界では窯業系がシェアの大多数を占めています。

NGの理由① 熱がこもってしまう

サイディングは熱をため込みやすい材質を持っています。
寒い冬場には熱を逃がさず室内を暖かく保つ効果がありますが、暑い日差しが降り注ぐ夏場には熱がこもってしまい、外壁の温度は80度に達することもあります。

サイディングに弾性塗料を塗装してしまうと、夏場の高温によって弾性塗料の塗膜が膨れ上がってしまい、ボコボコとした膨れが生じてしまいます。

膨れが生じた部分は塗膜が薄く、弱くなってしまい、サイディングの素地を傷めることにつながってしまうのです。

なによりも、ボコボコと膨れが生じた外壁は見た目が非常に悪くなってしまいます。

弾性塗料とサイディングの相性についてきちんと理解している塗装業者なら、まずサイディングに弾性塗料を塗装するようなミスを犯すことはまずないでしょう。

NGの理由② ヒビ割れを追従できない

弾性塗料は、モルタルやコンクリートのようにヒビ割れが発生しやすい外壁をフォローするための塗料です。

ゴムのように伸びた塗膜がヒビ割れ部分に入り込みフォローすることを、外壁塗装の業界では「追従」といいます。

外壁にサイディングを施工すると、サイディングのパネルとパネルの間をゴム状の「シーリング(コーキング)材」や「シーリング(コーキング)材」で埋めることになりますが、このシーリング(コーキング)材やシーリング(コーキング)材も時間が経つと劣化してヒビ割れを起こします。

このシーリング(コーキング)材やシーリング(コーキング)材のヒビ割れのスピードは早く、弾性塗料では追従できません。

もしシーリング(コーキング)材やシーリング(コーキング)材の上から弾性塗料を塗装しても、素地のヒビ割れのスピードが早いため弾性塗料もヒビ割れを起こしてしまいます。

すでに劣化しているものだけでなく、シーリング(コーキング)・シーリング(コーキング)を新品にする「打ち替え」をおこなったとしても、やはり素地のヒビ割れのほうが早いため、いずれは弾性塗料のヒビ割れが起きます。

ヒビ割れの追従を目的とした弾性塗料ですが「シーリング(コーキング)材・シーリング(コーキング)材のヒビ割れを追従できないためサイディングには不向き」と覚えておきましょう。

外壁塗装の弾性についてのまとめ

ここでは最近の外壁塗装でよく目につく弾性塗料・微弾性塗料の性能やサイディングとの相性について紹介しました。

外壁のヒビ割れを塗装が穴埋めしてくれるという、まるで「自動回復」のような機能を発揮する弾性塗料ですが、最近の住宅によくみられるサイディングとの相性は悪いということをよく覚えておきましょう。

通常の塗料を使用した施工よりも割高になるので、悪質な塗装業者だと相性も考えずに施主に弾性塗料の使用を勧めたりします。

また、サイディング壁の住宅に住んでいる施主が弾性塗料の使用を希望すると、相性のことを知らせずに弾性塗料を塗装する業者も存在します。

悪質な塗装業者や、外壁塗装に対する知識が足りていない塗装業者に引っかからないためには、複数の業者から見積りを取る「相見積り」が最も効率的・効果的です。

弾性塗料について興味が湧いた方は、ぜひ一括見積りサイトを利用して複数の塗装業者の見積りを見比べてみましょう。

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