外壁塗装は終わるまで何日かかる!?外壁塗装工事の10つの工程と施工事例

これまでに住宅の外壁塗装をしてもらったことがない方は、外壁塗装を依頼するとどのような工程があるのか、その工程にどのような意味があるのかなどは全く見当もつかないでしょう。

これから外壁塗装を依頼しようと考えているのであれば、大まかにでもどのような工程があるのかを予習しておくと、塗装業者との打合せで説明を受ける際にもスムーズですね。

ここでは、外壁塗装の流れを工程を追って説明していきます。ご自宅に塗装工事を施すことをイメージしながらご覧ください。

1.外壁塗装の工程は10段階

一般的な住宅の外壁塗装で、屋根・外壁・雨どいなどの付帯部分も全て塗装する場合、主な行程は10段階になります。順を追って工程を説明してきましょう。

① 足場の敷設
② 高圧洗浄
③ 下地処理
④ 養生
⑤ 下地塗り
⑥ 中塗り
⑦ 上塗り
⑧ 付帯部分の塗装
⑨ 仕上げ
⑩ 足場の解体

①足場の敷設

外壁塗装をする際には絶対になくてはならないもの、それが「足場」です。

足場とは、鉄パイプや木材の支柱を立てて、横に幅広の木の板や鉄板を通し、高所での作業をするための足場を確保する作業です。また、周囲への塗料の飛散を防止するため、防護ネットも張ります。

昔の足場は全て木材を使用して塗装業者が自分で建てていましたが、現在は「足場屋」と呼ばれる専門業者に外注するのが一般的です。

現在でも足場屋に外注せず自社所有の材料で足場を敷設する塗装業者がおり、その場合は外注よりもいくらか割安になります。

足場には、鉄パイプの支柱に長い木の板を通すほか、作業に応じてカンタンに組替えができる楔緊結式足場(通称:ビケ足場)が安定性にも優れており塗装業者の間でも人気があります。ただし、ビケ足場は部材の価格自体が割高なので、足場代も少し割高になります。

施主の立場では「工事価格を抑えるために、足場は安いところでお願いしたい」と言いたいところですが、足場に乗って危険な場所で作業をするのは塗装職人ですから、ムリは言わないでおきましょう。

足場屋によっては塗装業者が作業をしやすい足場の高さなどを理解していない場合があり、塗装業者によって「◯◯工業が建てた足場は作業がしやすい」などひいきにしている足場屋があります。

足場屋の選定や予算については完全に塗装業者任せになると考えましょう。足場の敷設は概ね半日程度で完了します。

②高圧洗浄

高圧洗浄は別名「水洗い」とも呼ばれる作業です。業務用の高圧洗浄機を使用して、住宅にこびりついた長年の汚れやカビ・コケなとを洗い落とします。さらに、すでに傷んでいる古い塗料を剥ぎ落とす効果もあります。

高圧洗浄と聞くと、コイン洗車場や家庭用の高圧洗浄機をイメージするかもしれませんが、これは全くの別物。

外壁塗装で使用する高圧洗浄機は洗車用の高圧洗浄機の2倍程度の圧力がある超高圧洗浄機なのです。
うっかり自分の足にでも当てれば硬いもので叩かれたような衝撃を受けるくらいですから、汚れやカビ・コケもバッチリ剥ぎ落とします。

トルネードノズルという回転しながら円状に高圧水を噴出するノズルを使えば、屋根や外壁の塗装もバリバリと剥ぎ取ります。

高圧洗浄は単に汚れを落とすだけでなく、塗料の食いつきを良くするための重要な作業です。昔は高圧洗浄機自体が存在しなかったので、今でも昔ながらの塗装職人の中には「水洗いなんかしなくても大丈夫」という人がいますが、これは間違いです。

高圧洗浄は「より良い下地処理」として定着しているので、高圧洗浄をしない塗装業者にはお願いしないほうが賢明でしょう。

高圧洗浄は作業自体は1日だけで完了しますが、概ね2日程度、最低でも丸1日は乾燥を待つ必要があるので、大抵の場合、高圧洗浄の翌日は塗装業者は別の現場に行くかお休みをします。

③下地処理

いくら質の良い塗料を塗っても、下地がサビていたりヒビ割れていたりすると、仕上がりが美しくならないうえに塗装が長持ちしません。そのため、塗装面の下地処理をします。

サビが出ている金属部分はサンドペーパーなどでサビを落とします。この作業を「ケレン」と呼びます。

また、外壁のヒビ割れにはシーリング(コーキング剤)材を注入して隙間を埋めます。外壁がサイディングの場合は、パネルとパネルの間にシーリング(コーキング剤)材が注入されており、シーリング(コーキング剤)材の劣化が激しい場合は古いシーリング(コーキング剤)材を剥ぎ落として新たにシーリング(コーキング剤)材を注入しなおします。これをシーリング(コーキング)の「打ち替え」と呼びます。

④養生

養生とは、窓ガラスやサッシ、玄関や勝手口ドア、ベランダやテラスなど、塗料が付着してはいけない部分を保護する作業です。

要は「マスキング」だと考えれば良いでしょう。外壁塗装用の塗料が窓ガラスなどに付着してしまうと、除去するのは大変です。

ラッカーシンナーで拭いたり、カッターナイフなどで削ぎ落とすこともできますが大変な手間となるし、木部や樹脂でできた箇所などは塗料が染み込んでしまい完全には除去できなくなります。そこで、塗装を始める前に、塗料が付着してはいけない部分をマスキングするのです。

養生は、主に紙製のマスキングテープや布テープのほか「マスカー」と呼ばれるテープ付きのビニールシートを使用します。

マスカーにはビニール部分の長さに応じて300㎜・550㎜・1,100㎜の3種類があり、隠したい箇所によって使い分けをします。

2階部分の外壁を塗装する際に1階部分の屋根を汚さないためにもマスカーを使用しますが、濡れたマスカーを踏むと転倒・転落の原因になるので「ノンスリップ」と呼ばれる厚手のマスカーを使用します。

また、外周のコンクリート部分などを汚さないためにビニールシートやベトナム麻のシートを敷きます。

ここまでで塗装の準備は完了です。③の下地処理と④の養生は並行して行われることが多く、丸1日から1日半程度で完了します。ただし、全面がサイディングでシーリング(コーキング)を打ち替える場合は、打ち替えだけで丸1日は必要です。

⑤下地塗り

足場の敷設から4〜5日後、ついに塗装が始まります。

まずは下地塗りです。下地塗りに使用するのは2種類です。

  • シーラーまたはプライマー
  • フィラー

シーラーとプライマーは水のように滑らかな材料で、フィラーは乾燥するとわずかに弾力がある粘性の高い材料です。

実はこの後の工程で登場する塗料、つまり仕上がりの色となる塗料は、外壁にそのまま塗っても密着性がありません。

また、外壁や屋根自体が傷んでいると塗料を吸い込んでしまうので、発色が悪くなってしまいます。そこで、塗料の密着性を高め吸い込みを防止する目的で下地剤を塗装するのです。

下地剤は「外壁や屋根と塗料の密着性を高める両面テープのような役割」だと考えれば良いでしょう。

また、フィラーを使用すれば、リシン壁などのようにザラザラした面を滑らかなにならすことができます。
砂骨ローラーと呼ばれる気泡状のローラーを使用すれば、細かに波打ったような独特な模様を施すこともできます。

外壁の下地塗りは主にローラーを使用しますが、基本的に屋根は厚塗りをしないので吹き付けで塗装を施します。

下地塗りは丸1日から2日で完了します。この時点では、シーラーやプライマーを使用していれば全く見栄えが変わらないし、フィラーを使用していれば真っ白になっているので「塗り替えをしている」という実感は沸かないでしょうね。

なお、ここからの作業は天候に応じて進みます。雨が降るおそれがあれば、塗料の乾きが悪くなってしまい、せっかく塗った塗料が湿気で流れてしまうこともあるからです。

⑥中塗り

下地塗りが完了すると、1度目のトップ塗りが始まります。トップとは外壁塗装で表にでてくる塗装のこと。

下地塗り→トップ1回目→トップ2回目と塗装が進むので、中間にあたるトップ1回目の塗装を「中塗り」と呼びます。

ここでついに「外壁はこの色がいい!」と決めた色に塗装されていきますが、足場の間からのぞいてみると「ちょっとイメージと違うなぁ」と感じるかもしれません。

実は、中塗りだけの状態では色味もツヤも不十分です。黒や紺などの色味が強い塗料はしっかり色がついているように見えますが、グレーやベージュ、水色などの淡い色調の塗料だと、下地剤の色味が透けてしまい、塗料本来の色味が発揮できません。

中塗りは「トップ2回目のための下準備」のような位置づけと言えるでしょう。

中塗りは、外壁はウールローラーで、屋根はエアレスで吹き付けるのが一般的です。下地塗りのシーラーやフィラーで塗面がならされているので、意外とスムーズに作業が完了します。

中塗りの作業は1日から1日半で完了します。屋根の場合、下地剤がすぐに乾燥するうえに、夜露などの湿気だけでも下地塗りがムダになってしまうので、1日で下地塗りと中塗りを済ませてしまうのがセオリーです。

⑦上塗り

トップ2回目、つまり色の仕上げが「上塗り」です。

中塗りと作業内容は変わりませんが、色の上に色を重ねていくため、塗料の色味やツヤが引き立ちます。
ここまでくると「キレイに仕上がったなぁ」と感心することでしょう。

上塗りはほぼ1日で完了します。中塗りで塗面が非常に滑らかになり、ローラーもスイスイと転がってくれるので、丸1日あれば1人でも塗り終わってしまうでしょう。

職人が2人以上いて使用した塗料の乾燥時間が早いものだった場合は、午前中の早い時間に中塗りを施し、別の作業を進めながら午後から上塗りを済ませてしまうこともあります。

⑧付帯部分の塗装

軒天井、小庇、雨どい、雨戸、テラス、幅木など、住宅の付帯部分を塗装します。上塗りが完了したうえで、塗り替えた部分には改めて養生をしなおして、付帯部分を塗装します。

住宅の形状次第では、軒天井など、外壁の塗装前に仕上げておくほうが効率がよい場合もあるので、その場合は⑤の下地塗りよりも先に済ませたり、並行することもあります。

付帯部分の塗装が終了すれば、外壁塗装はほぼ完成です。

⑨仕上げ

外壁塗装がほぼ終了すると、残すは仕上げです。

塗装中に別の部分にはみ出して付着した塗料や、気泡などで塗料がきちんと塗れていない部分を手直しします。この作業を「タッチアップ」と呼びます。

窓枠のサッシ部分などは養生のテープである程度のラインが出ていますが、さらにハケを使ってキレイな線に仕上げます。この作業を「ライン取り」や「線出し」と呼びます。

タッチアップなどの仕上げ作業と並行して、各部に施した養生を外していきます。
これで、外壁塗装工事は完了です。

丁寧な塗装業者はタッチアップやライン取りにもしっかり時間をかけてくれますが、いい加減な施工の業者だと仕上げ作業どころか仕上がりのチェックさえもしない場合があります。

塗装業者の丁寧さをチェックしたい場合は「窓枠の下」を見てみましょう。窓枠は、養生を施していた都合で塗装漏れが残ったり「どうせ見えない部分だから」とタッチアップやライン取りを怠りやすい部分です。

ここも完璧に塗装してくれていれば「丁寧な塗装業者に当たった」と喜んでも良いでしょう。

⑩足場の解体

外壁塗装が完了したら、工事完了の翌日から数日以内に足場屋が来て、住宅の周囲に張り巡らされた足場を解体します。

足場の解体は半日もかからずに終わるので、現場が立て込んでいる足場屋では1日に3件の解体をこなす場合もあります。

足場の解体が終わると美しく仕上がった住宅が姿を現わすので、近隣の住民も「キレイになったなぁ」と感心しながら通り過ぎていくでしょう。

足場を解体した後は、高圧洗浄で屋根から吹き飛ばしたゴミや養生の切れ端など、外壁塗装のために生じたゴミが残っています。
これを塗装業者が清掃して、全ての工程が完了です。

2.外壁塗装工事は何日くらいかかる?

外壁塗装の工事を考えている方は「工事の完了には何日くらいかかるのだろうか?」と気になるものです。
住宅の出入りや洗濯が不自由で、見栄えも良くないので、足場が建てられている期間も気になるところでしょう。

ここまでで説明した全ての工程は、概ね10日から2週間程度で完了します。
外壁塗装の工事は、足場の敷設に始まって足場の解体で終わるので、足場が建てられている期間は概ね2週間以内だと考えておきましょう。

ただし、塗装が始まった後で雨降りの日が続いたりすると、作業は大幅に遅れてしまいます。「途中から雨が降るかもしれない」という天気予報が出ていると、湿気で塗料が流れてしまうことを避けてその日は作業をしないことがあります。

特に雨が続きやすい梅雨時期や台風時期は予定通りに工事が進まないことが多いでしょう。

3.外壁塗装の工程のまとめ

今回は外壁塗装の工程について紹介しました。ご自分の住宅で外壁塗装工事を施すことをイメージして頂けたでしょうか?

工程を知っておくことは、見積り段階や工事の途中などで塗装業者から説明を受ける際に役立ちますが、最も役立つのは「悪徳業者の判断」です。

悪徳業者は、高圧洗浄を省いたり、下地塗りをせずにトップを塗装したり、2回塗らないと色味を発揮しないトップを1回のみで済ませたりして工程をごまかします。

いかに悪徳業者といえども、工程を省いていることを指摘されればグウの音も出ないでしょうね。

塗装業者から見積り書をもらったら、今回紹介した工程がきちんと盛り込まれているかをしっかりチェックしましょう。

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