屋根のカバー工法の費用価格は!?工事の流れとメリット・デメリット

屋根のカバー工法の費用価格は!?工事の流れとメリット・デメリット

新築から20年程度経過すると、気になってくるのが屋根の状態です。

外壁や建物の内部は、破損や割れなど異常にすぐ気が付きますが、屋根の場合は直接確認することも少なく、雨漏りしてから初めて気が付くことが多くあります。

雨漏りは建物の壁の内部に雨水が侵入していることも多く、建物の寿命を短くしてしまいます。

年数が経過した建物は定期的に確認し、手遅れになる前に屋根のリフォームを実施するのがベストです。

屋根の修理にはいろいろな方法がありますが、今回はカバー工法についてお教えします。

カバー工法とは

屋根は定期的に塗装などのメンテナンスを行う必要がありますが、屋根材の破損や錆、剥がれなどがひどい場合には、全面的な補修が必要になります。

全面補修の中でも、カバー工法は「重ね葺き」とも言われ、今ある屋根の構造や屋根材はそのまま残し、上から新しい屋根材を設置する方法です。

軽量で耐久性の高い金属の屋根材を使用して、既存の屋根は残したまま施工ができるため、工期も短く費用も抑える事ができるのが特徴です。

一方、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に張り替えることを「葺き替え」といいます。

老朽化した屋根材の撤去工事があるため工期が長く、工期中の雨対策も必要になるなど、カバー工法と比較して工事は大規模なものになります。

撤去した廃材の処分費用や人件費もかかるため、費用も高額になりがちです。

最近では、屋根の補修目的だけでなく重い瓦屋根から軽量な屋根材にすることで、建物の耐震性能を上げるための葺き替え工事も増えています。

カバー工法の流れ

カバー工法の流れは以下の通りになります。

【足場の組立】

まず始めは、建物に足場をかけます。施工場所は高所の屋根ですので、作業効率や安全の確保のため足場は必要です。

立地や建物によっては不要な場合もあり、足場だけでなく防護ネットやメッシュシートを張る場合もあります。

【板金の撤去と既存の屋根の清掃】

カバー工法では、既存の屋根がなるべく平らになっていることが重要です。

屋根の中心にある棟板金などの板金と貫板を外し、既存の屋根材の清掃を行います。

既存の屋根の種類や状態、カバーする屋根材の種類によっては、下地として合板などを張る場合もあります。

【防水シートの敷設】

既存の屋根材または下地の上に、ルーフィングと呼ばれる防水シートを張っていきます。

ルーフィングは屋根の防水性能の要となる部材で、穴や破れがあると雨漏りの原因になります。

道路の舗装などに使われるアスファルトを、フェルトや紙などにしみこませたアスファルトルーフィングがよく使われます。

【新しい屋根材を敷く】

防水シートの上に、新しい屋根材を敷き釘などで止めていきます。

屋根材は鋼板にアルミニウムと亜鉛のメッキを行った、ガルバリウム鋼板がよく使用されます。

スレートや瓦と比較して1/2~1/4程度の重量で、耐候性も高い部材です。

【仕上げ】

棟板金などの板金部材をとりつけ、すき間をシーリング(コーキング)材などで埋めていきます。完成後に足場を解体、撤去して完成となります。

カバー工法の費用と納期

カバー工法の費用としては、下地材(使用しない場合もある)、防水シート、屋根材、屋根板金などの材料費の他、足場の設置費用、工事にかかる人件費や諸経費などが発生します。

既存の屋根材の撤去は棟板金など最小限ですので、廃材処理費用は少なくて済むのが特徴です。

施工する屋根の広さによって金額は異なり、業者によっても見積もり方法は異なりますが、相場の目安としては以下の通りになります。

下地工事 1,500~2,500円/㎡
防水シート 500~1,000円/㎡
屋根材 5,000~8,000円/㎡
棟板金 2,000~5,500円/㎡
足場工事 500~2,000円/㎡

屋根は広さだけでなく、勾配や形状、構造などにより単価は変動します。

このほかにも、テレビアンテナの脱着費用、工事用車両の駐車場代、資材搬入費などがかかる場合があります。

工事管理費や諸経費は1日あたりの定額か、総工事費の5~10%を基に見積もられます。

撤去作業が無いため工期は短く、特殊な屋根でなければ通常で5日程度、長くても1週間ほどで完了します。

上記相場価格を目安に80㎡の屋根をカバー工法で補修を行うと、80万~150万程度かかる計算になります。

カバー工法のメリットとデメリット

葺き替えよりも手軽にできるカバー工法ですが、メリットとデメリットをよく理解してから選択することが大切です。

メリット

・工事費用が抑えられる

葺き替えとは違い、既存の屋根の撤去にかかる人件費や廃材処理費用が掛からないため、工事金額を抑える事ができます。

・工事期間が短い

既存の屋根の撤去工事が無く、廃材の搬出も最小限のため、葺き替えよりも工期が短縮されます。

工事期間中も屋根がある状態ですので、住み続けたまま工事が可能で、雨などの天候による工期への影響も最小限で済みます。

・家の美観が向上し、耐用年数が伸びる

しっかりとした工事が行われれば、葺き替えと同じ耐久性があり家の耐用年数が伸びます。当然ですが、屋根を新しくすることで建物の外観も良くなります。

・家の機能が向上する

屋根が二重構造となることで、遮音性や断熱性が向上します。

ガルバリウム鋼板を屋根材に使用する場合、金属のため雨音の反響などが気になりますが、裏面に遮音材が貼られている部材を使用すれば問題はありません。

デメリット

・施工条件が限られる

下地が平坦であることが条件のため、屋根材に厚みや波がある日本瓦や波型のスレートはカバー工法には向きません。

既存の屋根の状態によっては、下地処理に費用が掛かることもあり、結果的に葺き替えと変わらない費用が掛かるケースもあるので注意が必要です。

・耐震性が低下する

既存の屋根を撤去せず新しい屋根材や下地材を張るため、屋根が2重になり総重量が増えます。

建物の重心が高くなり、地震が発生した場合、揺れの影響を受けやすくなります。

強度や耐震性能への影響については、カバー工法を行う業者や住宅を施工した会社と相談してから実施することをおすすめします。

・今後の屋根修理が難しくなる

カバー工法を施工した後に雨漏りが発生した場合、2重構造の屋根になっているため原因の特定は非常に困難になります。

調査や修理だけでも、高額になるのは確実です。3重、4重のカバー工法の施工例は殆ど見かけませんので、トラブルがあれば葺き替えになることを、覚悟しておく必要があります。

・既存の屋根材にリスクがある

既存の屋根材は長期間雨水にさらされているため、内部に水分を含んでいる場合があります。

古い屋根材の水分はカバー工法により外部には逃げられなくなり、カビの発生や、建物内部の構造材などを腐食させる可能性があります。

カバー工法はアスベスト対策になるか?

既存の屋根材が古いスレートの場合、アスベストの問題があります。

スレート屋根材はコロニアルという商品が有名ですが、もともと平坦な屋根のためカバー工法に向いています。

アスベストは耐久性の高さから屋根瓦や外壁などに使用され、以前はスレート屋根材にも使用されていました。

健康被害が問題となり、2004年以降アスベストを含む製品の出荷は法律で禁じられています。

屋根材のメーカーにより前後しますが、2001~2002年以前のスレート屋根材には、アスベストが含まれている可能性があります。

アスベストを含む屋根を解体する際は、解体工事時の飛散防止の措置や、廃材の処理などが厳しく規制され費用もかかります。

カバー工法はアスベストを含むスレート屋根材をカバーすることで飛散を防ぎ、高額な解体費用もかかりません。

一方で、健康被害の不安が残る屋根材を残したまま住み続ける事になり、建物を解体する時にはアスベスト対策費用が必要になることは確実です。

20年以上前のスレート屋根材のリフォームについては、将来的なことも考えてカバー工法か、葺き替えを選択する必要があります。

屋根のカバー工法の費用価格は!?工事の流れとメリット・デメリットのまとめ

屋根のリフォームを検討する際には、まずは建物の屋根がどのような状態になっているかを業者などの専門家と確認することが必要です。

雨漏りがある場合は放置や様子見をせず、すぐにリフォームを実施すれば、被害は最小限で済みます。

また、業者により得意な工法もありますので、自宅の状態にあった最適な工法を提案してくれる業者を見つけることも重要です。

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