屋根葺き替え工事の費用価格は!?工事の流れと新しい屋根の選び方

屋根葺き替え工事の費用価格は!?工事の流れと新しい屋根の選び方

建物の中でも、日差しや風雨を遮る屋根は重要な役割を持っています。日中は常に日光にさらされ、雨や雪、風が直接あたり建物の中でも最も早く経年劣化していきます。

外壁などは、目視で異常に気が付きますが、普段確認できない屋根は、雨漏りなどのトラブルが起こって初めて、劣化に気が付くケースも多くあります。

塗装や修理など、簡単な補修でトラブルが解決できれば良いですが、劣化が激しい場合はリフォーム工事を行う必要があります。

屋根のリフォーム工事の中でも、大規模改修となる葺き替えについて説明します。

屋根葺き替え工事とは

老朽化した既存の屋根を全て取り払い、新しい屋根材で張り替える工事を葺き替え工事といいます。

日本瓦やスレート瓦、トタン板などの屋根材だけでなく、内部の防水シートや野地板(下地の板)なども交換するため、葺き替え後の美観や耐久性は新築同様となります。

屋根は紫外線や風雨に長時間さらされ続けるため、経年劣化が進みやすい場所です。

劣化には、屋根材の破損や脱落、棟板金の外れや腐食、漆喰やシーリング(コーキング)の劣化などがありますが、ダメージが軽微であれば補修や再塗装などで修復が可能です。

年月が経ち屋根材の劣化が激しい場合や広範囲にわたる場合、雨漏りなどのトラブルが補修で解決しない場合は葺き替えやカバー工法で全面的に改修する必要があります。

カバー工法は既存の屋根の上に新しい屋根材を張っていく工法のことで、短い工期と比較的安いコストがメリットになります。

一方で日本瓦やセメントの波型瓦などの平坦でない屋根には適用が難しく、屋根の重量が重くなることで耐震性が低下するデメリットがあります。

葺き替えは、既存の屋根材に関係なく施工でき、屋根の構成部材すべてを新しくできるので、トラブルの根本的な解決が可能です。

また重量のある瓦屋根から、軽量な金属屋根に張り替えることで屋根の重量を大幅に軽量化できるため、建物の重心が下がり耐震性の向上にもつながります。

屋根葺き替え工事の流れ

屋根葺き替え工事の工程は、下記の通りになります。

【足場の組立】

まず始めは、建物に足場をかけます。施工場所は高所の屋根ですので、作業効率や安全の確保のため足場は必要です。

ただし立地や建物によっては不要な場合もあり、近隣の状況によっては足場だけでなく防護ネットやメッシュシートを張る場合もあります。

【既存の屋根の撤去】

アンテナや太陽熱温水器、太陽光発電システムなどを取り外し、劣化した既存の屋根材を撤去します。

日本瓦の場合は瓦だけでなく、瓦を止める桟木や葺き土なども撤去し、スレート瓦や金属屋根の場合は棟板金や防水シートなどもあわせて撤去します。

【下地の補修と野地板の設置】

古い野地板に腐食などの劣化がある場合は、修復や新しい野地板に張り替えます。

既存の野地板の上に、構造用合板(コンパネ)などを張る場合もあります。重ね張りすることで、屋根面の補強だけでなく建物全体の補強にもなります。

【防水シートの敷設】

既存の屋根材または下地の上に、ルーフィングと呼ばれる防水シートを張っていきます。

ルーフィングは屋根の防水性能の要となる部材で、穴や破れがあると雨漏りの原因になります。

道路の舗装などに使われるアスファルトを、フェルトや紙などにしみこませたアスファルトルーフィングがよく使われます。

【新しい屋根材を敷く】

防水シートの上に、新しい屋根材を敷いていきます。日本瓦の場合は桟木を組み、瓦を並べていきます。

ガルバリウム鋼板やスレート瓦などは、直接張り釘などで固定します。

【仕上げ】

役物や棟板金などの板金部材をとりつけ、すき間を漆喰やシーリング(コーキング)材などで埋め、アンテナなどを元に戻し完成です。足場を解体、撤去して工事完了となります。

屋根葺き替え工事の費用と期間

葺き替え工事の費用としては、下地材(使用しない場合もある)、防水シート、屋根材、屋根板金などの材料費の他、足場の設置費用、撤去と設置工事にかかる人件費や諸経費などが発生します。

既存の屋根材の撤去を行うため、廃材処理費用が発生します。施工する屋根の広さや屋根材によって金額は異なり、地域や業者によっても見積もり方法は異なりますが、相場の目安としては以下の通りになります。

既存の屋根の撤去 1,500~3,000円/㎡
下地工事 1,500~2,500円/㎡
防水シート 500~1,000円/㎡
屋根材 5,000~8,000円/㎡
棟板金 2,000~5,500円/㎡
足場工事 500~2,000円/㎡

屋根は広さだけでなく、勾配や形状、構造などにより工賃などの単価は変動します。

新しい屋根材については、ガルバリウム鋼板などの金属屋根や、瓦などの種類やグレードによって価格が変わります。

廃材の処理費用については多くの場合は撤去工事費用に含まれますが、地域によっては廃材の重量に応じた費用が発生することがあります。

このほかにも、テレビアンテナなどの脱着費用、工事用車両の駐車場代、資材搬入費などがかかる場合があります。工事管理費や諸経費は1日あたりの定額か、総工事費の5~10%を基に見積もられます。

注意点としては、古いスレート屋根材にはアスベストが含まれている可能性があり、解体時や廃棄処理に割高な費用がかかります。

人体に有害な影響のあるアスベストは、段階的に規制され2004年に製品出荷が禁止になりましたが、それ以前の製品には10~30%程度アスベストが含まれています。

アスベスト入りの屋根材を撤去する際は、飛散を抑える防護措置が必要な上、廃棄も特殊です、業者も石綿作業従事者特別教育を受け「石綿作業主任者技能講習」を修了していないと作業はできません。

築15年以上で葺き替え工事を行う場合は、確認が必要です。

撤去作業や足場設置を含め、特殊な屋根でなければ通常で6~7日程度、長くても10日ほどで完了します。

既存の屋根材を取り外すため、防水シート張りまでは雨が降らないことがベターで、天候次第では工期が長引くこともあります。

上記相場価格を目安に80㎡の屋根を葺き替えた場合、90万~220万程度かかる計算になります。

新しい屋根の選び方

せっかく新しい屋根に葺き替えるのであれば、屋根材にもこだわりたいところです。素材ごとで外観や機能面、価格も違うので特徴を理解しておくことが必要です。

種類 概要 遮音性 断熱性 カラー 重量
スレート セメントと繊維素材を混ぜて、薄く加工し着色した板状の瓦。バリエーションも豊富で、施工も容易なため業者も多い 軽量
日本瓦 粘土を使った焼き物(陶器)の部材。伝統的な日本瓦とデザイン性のある洋瓦がある。施工は専門の技術が必要。 重い
ガルバリウム鋼板 スチールにアルミや亜鉛、シリコンでメッキし、防錆処理をした鋼板。施工が容易でリフォームでよく使用される。 △~〇 △~〇 非常に軽い

一般的な屋根材の特徴は上記の通りですが、セメント瓦、トタンやアスファルトシングルなど様々な種類があります。

最近では軽量な日本瓦や、遮音性や断熱性を高めたガルバリウム鋼板も出ています。

工賃も含めた費用の目安としてはスレートとガルバリウム鋼板が同程度で5,000円~8,000円/㎡、日本瓦は8,000円~12,000円/㎡となります。

また、日本瓦→スレート、ガルバリウム鋼板のように軽量な屋根材には葺き替えができますが、軽量な屋根から重量のある瓦への葺き替えは、建物の構造から見直しとなるので殆ど行われません。

海の近くなどでは塩害があり、金属製の屋根は錆びやすくなるなど、構造だけでなく立地や気象条件等も考慮して選択する必要があります。

新しく葺き替えた屋根も、定期的なメンテナンスが必要なものもあります。

種類 メンテナンス内容 メンテナンス時期 寿命
スレート 定期的に再塗装を行うと寿命が伸ばせます。破損などは部分的に補修します 7~10年 20~40年
日本瓦 破損しない限りは、ほぼ永久的に使用できます。漆喰や瓦下の防水層の劣化は補修が必要です 25~30年 50年以上
ガルバリウム鋼板 基本的にメンテナンスフリーですが、定期的な塗装が必要なものもあります メーカーや
グレードによる
20~40年

このほかの屋根材では、トタン屋根の寿命は15~25年、セメント瓦は30~40年が寿命となります。

寿命は葺き替えタイミングのひとつの目安ですが、屋根材の耐久性だけでなく防水シートやシーリング(コーキング)の劣化、棟板金の剥がれ、ネジの緩みなど屋根全体の状態に合わせて葺き替えを行うことが必要です。

屋根は外観を直接見る機会も少ないので、雨漏りなどのトラブルが無くても定期的に状態を確認することも大切です。

屋根葺き替え工事の費用価格は!?工事の流れと新しい屋根の選び方のまとめ

リフォームの中でも、大規模な工事となる葺き替え工事は、費用も高額になるため慎重な判断が必要になります。

屋根材は色や外観のイメージだけでなく、断熱性や耐震性などの機能、メンテナンスの手間や費用まで考慮することが欠かせません。

最も大切なのは、信頼のできる業者を選ぶことです。ハイグレードな屋根材を使用しても、施工技術が低ければ、本来持つ性能は発揮できません。

特定の屋根材の施行しかできない専門業者もありますので、いくつかの選択肢から最適なものを選べるように業者選びも慎重に行うことがポイントです。

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